【新】俺様社長の溺愛
秀人と名を呼んだ課長は、より一層、

私の手を強く掴む。

私は、どうしていいかわからず、

その場に呆然と立ち尽くしていた。


「愛海と付き合う事など、オレは認めない」

「・・・秀人には、関係のない事だろ?

綾瀬とオレの問題だ、首を突っ込むな」


自分の後ろに私を隠した課長は、秀人にそう言う。

秀人も負けじと、言い返した。


「愛海はオレのモノだ・・・関係ないわけがない」

「オレの…モノ?」

…少しだけ緩んだ課長の手。

私はハッとして、課長から離れた。


「課長、帰ってください…私は誰とも付き合いませんから」

そう言ってその場から逃げ出した。

…それを追ってきたのは。


「愛海、待て」

・・・秀人だった。

足の速い秀人が、私に追いつくのなんて、簡単な事。
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