【新】俺様社長の溺愛
パッと顔を上げ、目に飛び込んできたのは、

「・・・あ」

…ついさっき、会ったばかりの、

私をあざ笑ったスーツの男だった。


「早く来なさい、綾瀬愛海さん」

「は、はい・・・」

突然名前を呼ばれ、小走りに前まで行く。

…周りの先輩社員達に、終始笑われながら、前まで行き、

挨拶を始めた。


「今日からお世話になります、綾瀬愛海と言います。

分からない事ばかりなので、ご指導宜しくお願いします」

そう言って頭を下げた。


私の言葉に、皆が、拍手をしてくれた。

・・・その事で少し、ホッとする自分がいた。

新入社員だもの。嫌われたくはないから。


皆が席に着き、仕事を始める。

「さっきはどうも」

私の背中にそんな声が聞こえる。

「・・・どうも。

…まさか、自分の上司の方だとは思いもしませんでした」
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