蒼月
また来年。
街はすっかり爽快な緑に

染め替えられはじめた

薄紅の街はもう見当たらない

あんなに香っていた

君の姿も香りももうしない

でも寂しくないよ

君は精一杯生きて

色付いて散っていった

忘れてないよ

今年の君のこと

はぐれた君に僕は囁いた

また来年

逢おうね

それはきっと繰り返される

約束

また来年

薄紅の街で君に逢う
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