不器用な愛情表現
最後の不器用
遠ざかって行く司くんの背中が、小さくなっていく。
届かない距離に思えてくる。
ジワリと視界が滲みそうになるのをグッと唇をかみしめて抑える。
「綾?そんな所で立っててどうしたの?」
声がした方へと振りかえれれば、そこには一番の友達、華ちゃんがいた。
私は何も言わずに、ぎこちない笑みを華ちゃんに向ける。
華ちゃんは何かを察したかのように、ため息を漏らした。