不器用な愛情表現


華ちゃんは何も言わずに、手を差し出してくる。


それに私はただ、手を重ねてぎゅっと握る。


華ちゃんと手を握る、それが私の嫌な事をふっ切らせる方法。


「速見の奴、こんな可愛い綾を苦しめるだなんて何て奴!!」


「ははっ…仕方ないよ。私が全部悪いんだもん」


伝えずに分かって欲しいって思っている自分がいるのも事実。


言わなくても伝わっているって信じている自分がいるのも事実。


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