不器用な愛情表現


「けれど、好きじゃなくて――……」


“大好きなだけ”と言葉を繋げようと視線を背をそらした時だった。


いつものようにお弁当を持っている綾がそこには立っていた。


驚いたと言う感情しか芽生えてこなかった。


目には沢山の涙をためて、何滴ものの雫が綾の瞳から流れて床へ落ちて行く。


あ―…俺はどうしてあやの事を泣かせる事しか出来ないんだろ。


どうして、笑わせる事は出来ないのにあやの事を泣かせてしまうだなろう。



< 35 / 70 >

この作品をシェア

pagetop