不器用な愛情表現
「けれど、好きじゃなくて――……」
“大好きなだけ”と言葉を繋げようと視線を背をそらした時だった。
いつものようにお弁当を持っている綾がそこには立っていた。
驚いたと言う感情しか芽生えてこなかった。
目には沢山の涙をためて、何滴ものの雫が綾の瞳から流れて床へ落ちて行く。
あ―…俺はどうしてあやの事を泣かせる事しか出来ないんだろ。
どうして、笑わせる事は出来ないのにあやの事を泣かせてしまうだなろう。