不器用な愛情表現


5mと言う距離を振動して伝わってくる、低く、透き通った声。


「何?」


そして、困ったような表情を浮かべて私を見る。


ズキンっと胸の奥が痛む。


「ごめん、何でも無いよ」


そう言うと、彼は面倒くさそうに、ため息を吐いて再び私の前を歩きだす。


こんなこといつもの事なのに、いつまでたっても慣れない。


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