そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】


――――絶句……そして、撃沈。


パンツのダメ出しされた……これって、最悪だよね?


でもでも、せめて言い訳をさせて欲しい!


あのパンツは、ばあちゃんが女の子はお腹を冷やしちゃいけないって、勝手に大量に買っちゃったやつだもん!もったいないから穿いてただけで、決して私の趣味とかじゃないよ~!!


―――この誤解を解かないと……


そう思った私は湯船から飛び出し陸さんの部屋へ急ぐ。でも部屋に彼の姿はなくチビちゃんが一人スヤスヤと寝息を立てていた。


あれ?もう喫茶店は閉店してる時間なのに……まだ下に居るのかな?


不思議に思いながら階段を下りて厨房を覗くと、店の方から何やら話し声が聞こえてきた。


この声は、陸さんとイケメン弁護士だ……


お世話になったイケメン弁護士にお礼を言わなくちゃと店に入ろうとしたところで、二人の意味深な会話を聞き私の足が止まった。


「なぁ、もう終わりにしないか?」

「それは、ダメだ……」

「なんでだ?俺はもう……無理だよ」


へっ?陸さん、何が無理なの?てか、この会話って、もしや……別れ話し?ということは、まさか二人は付き合ってたってこと?


うぎゃ~!!陸さんとイケメン弁護士は……ホホホホモ?ヒィー!ウソでしょー!やめてぇ~!!


ショックを受けた私が厨房の床の上でのたうちまわってる間も二人の会話は続く。


「宅磨は平気なのか?このままで……」

「急にどうした?」

「……鈴音が……可哀想だ」


えっ?私?なんで私が可哀想なの?


「陸……お前、鈴音に余計なこと……言ってないよな?」


突然自分の名前が出たことに驚いたが、今まで私のことを"さん"付けで呼んでたイケメン弁護士が"鈴音"と呼び捨てにしてることにも驚いた。


そう言えば、陸さんも私のこと"鈴音"って呼んでる……

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