そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
イケメン弁護士のその言葉に対して陸さんの答えは―――
「あぁ……」それだけだった。
でも私は納得出来ない。疑問だらけでワケが分かんない。
陸さんにはイケメン弁護士を好きになれば後悔すると言われ、イケメン弁護士には陸さんと私の間に何かあったら大変なことになると言われた。
じゃあ、私はどちらも好きになっちゃいけないってこと?そんなのって……
これは直接聞くしかないと立ち上がった時、ドアが開く音とユミちゃんの声が聞こえてきた。
「ただいま~!あれ?宅磨先生来てたの?こんな時間に珍しいね~」
「あぁ、もう帰るとこだよ。それじゃあ、また……おやすみ」
「な~んだ!もう帰っちゃうのぉ~」
ユミちゃんの登場で、すっかり出て行くタイミングを逃してしまった。
ユミちゃんも居るし、仕方ない。ここはひとまず退散するか……
後ろ髪を引かれる思いで自分の部屋に戻りベットにもぐり込む。すると……
「鈴音っち!!襲われたってホント?」
ユミちゃんが血相を変えて部屋に飛び込んで来た。
「今、陸君に聞いたよー!!無事で良かったー!!」
私に抱き付き号泣するユミちゃんを見て、私のこと、こんなに心配してくれるんだ……とジーンときて、思わず私も貰い泣き。暫し二人で大号泣。
「陸君がね、凄く心配してた。自分が居ない時は鈴音っちを頼むって……」
あ……
「ユミちゃんさん、お話があるんです」
「何?」
「えっと……あのですね~実は、私……」
陸さんのセフレであるユミちゃんに"陸さんのこと好きになってしまった"なんて言っていいか迷ったが、私には彼女しか相談する人が居ないから……
「好きなんでしょ?陸君のこと」
私が告白する前に、ユミちゃんにズバリ言い当てられた。
「そんなの分かってたよ」