そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
◎好きが止まらなくて……
「ふ~ん、で、そのアプリを入れたのか?」
「はい、多摩雄のおっちゃんが言うには、このアプリを開いて出できた画面に向かって何か言うとそれが録音されて、事前に登録してある人全員の携帯に自動で電話が掛り音声が再生されるそーです。
で、GPS機能ってヤツで私の居場所を特定して、スマホの画面に現在地が表示される仕組みになってるって……
だから私になんかあったらこれで助けを求めるようにって言われました。なんでも秘密結社の人の他にも警察の機動隊とか、多摩雄のおっちゃんの組織の人達にも連絡が行くようにしてくれたみたいです」
おっちゃん達が帰った後、起きてきた陸さんが"魅惑のおっぱい"の営業に行くと言うので、私も同行させてもらうことにした。
陸さんは嫌がってたけど、強引に車に乗り込んでしまえばこっちのもの。渋々ながら一緒に連れてってもらえることになった。
「でも、多摩雄のおっちゃんって、警察から自分の組織を守る為にこのアプリを開発したとか言ってましたけど、いったい何者なんですか?」
「んっ?多摩雄さんか?あの人は、今、国内で一番の勢力を誇る指定暴力団『小林組』の組長だよ」
「えぇっ!!ぼ、暴力団?それって、仁義なきなんたらって映画に出てた人達と同じ職業ってことですか?」
「職業……?まぁ、そうだな」
知らなかった……強面のおっちゃんって、ホントに怖い人だったんだ……
「だったら警察のおっちゃんとは敵同士じゃないですか?あんなに仲良くしてていいのかな?」
不思議がる私の顔を見て陸さんがフッと笑う。
「立場がどうであれ、平島の出身という絆は絶対だ。それが警察とヤクザでもな。あの二人は同級生で、子供の頃からの親友らしいぞ」
「へぇ~親友ですか~」
それがいいことなのか、悪いことなのか……微妙だな。