そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
さっきの熱湯ミルクの汚名返上しなくては……
「チビちゃんは、私が預かります!」
陸さんとユミちゃんがキョトンとした顔で固まってる。
「お前……何言ってんだ?ミルクも作れないヤツが二日間もチビの面倒なんか見れるもんか。離乳食だって食わさなきゃいけないんだぞ。
それに風呂はどうする?一人で出来るのか?」
「成せばなる。成さねばならぬ何事も……です!なんとかなりますよ」
「お前、チビはバーバラとは違うんだぞ!分かってんのか?」
陸さんは相当不安そうだったけど、三人で色々考えたが他にいい案がなく結局、私がチビちゃんを預かることになった。
「ホントに大丈夫か?チビを殺すなよ!」
「もぉ~縁起でもないこと言わないで下さい。ちゃんと面倒見ますから~」
全く信用されてないことにちょっとイラっとする。
するとユミちゃんが食後のコーヒーをカウンターに置きながらまた話題を変えた。
「ところでさぁ~オッパイはどのくらい売れたの?」
「んっ?……そうだな~やっと200ケースってとこだ」
「えぇー!期限まで、あと三日しかないのに大丈夫なの?」
そうだ。もう三日しかないんだ……
「だから大阪まで営業に行くんだろ?」
陸さんの言葉に頷きながらユミちゃんがボソッと言う。
「でもさぁ~そんなことしなくても、ここに来るお金持ちのおじさん達に買ってもらえばいいのに……」
その一言に目からウロコ!その手があった!
「あっ!そうだ!そうですよねー!おっちゃん達に買ってもらえばいいんだー。太一郎のおっちゃんならお金は腐るほど持ってるだろうし、私、頼んでみます」
すっかりテンションを上げスマホを取り出した私の手を陸さんが掴んだ。
「やめろ……あの人には頼りたくない……」