そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

機嫌良く喫茶店に帰って来ると、扉の前でバーバラがチョコンと座って大あくびをしていた。


「あれ?バーバラじゃない。いつの間にか居なくなったから多摩雄のおっちゃんとこに帰ったと思ってたのに……」


私の足に纏わりつくバーバラを抱き上げ喫茶店の扉を開ける。


カウンターの椅子に座り、暫くボーっとしながらバーバラの頭を撫でていると、さっきの保育士さんの言葉を思い出しハッとした。


そういえば……陸さんも苗字は小林だ。彼も平島と関係があるんだろうか?陸さんだけじゃない。イケメン弁護士も小林だし、二人はいとこ同士なんだよね~


でも、あの二人は謎が多過ぎる。いったい何を考えてんだろう?聞いても何も言ってくれないもんな~


私と陸さんが関係を持ったことだってイケメン弁護士には秘密だって言うし、彼女の私にその理由すら教えてくれない。


「ねぇ、バーバラ、私と陸さんって、ホントに付き合ってるのかな?」


もしかして、ユミちゃんの時と同じようにセフレとか思ってたりして?


「ギャ~!!そんなのイヤだぁー!!」


バーバラが大声に驚き腕の中でバタくってる。そんなバーバラを放り投げ立ち上がった私は厨房へと急いだ。


このままじゃあ、私はセフレ止まりかもしれない。なんとしても陸さんに彼女だと認めてもらわなくっちゃ……その為には、私がチビちゃんの立派なお母さんにならないとだ!


よし!まず手始めに離乳食を作ろう!


スマホで離乳食の作り方を検索して冷蔵庫にある野菜でペースト状の離乳食を完成させた。


が、味見をしてみたら……


「ウゲッ……マズい」ほとんど味がない。


いくら薄味がいいからって、これじゃあ、チビちゃんが可哀想だなぁ~……ちょっと味付けしてみるか……


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