そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
怒りを爆発させていると、お腹がグゥ~…
「あぁ……もう6時だもんな……お腹すいた」
取り合えず食べるモノを求めマンションを出て辺りをウロウロしてるとコンビニを見つけ、何気に興奮。
「よっしゃ~!初コンビニだ!」
スーパーとコンビニに関しては、生活する上で必要不可欠な場所だからと島の師匠に事前に説明を受けていたからすんなり入れた。
「スゲ~師匠の言ってた通りだ。なんでも売ってる……」
すかさずお弁当コーナーを物色してみると……
なんだ……この色鮮やかなおかずは?島でばあちゃんが作ってくれてたのは、基本茶系の煮物ばかりだったから、こんな珍しい食べ物は見た事ない。
「これ美味しそう~あ、あれもいいかも~」
興奮しながら惣菜を手当たり次第買い物カゴに入れウキウキしながら支払いを済ませマンションの部屋へと急ぐ。
部屋に戻るとガラ~ンとしたリビングの床に惣菜を広げ夢中で食べた。でも、半分ほど食べたところで箸を持つ手が止まった。
確かに美味しい惣菜だけど、やっぱり食べ慣れたばあちゃんの煮物が恋しい……。それに、黙って食べるご飯はちっとも楽しくない。
ばあちゃん、もうご飯食べたかな……
しんみりしながら窓から見える都会の夜景を眺めため息一つ。一日も経たないのに、既にホームシックで寂しくなり胸がキリキリ痛んだ。
ばあちゃん……一人で過ごす夜って、こんなに静かなんだね……
……知らなかったよ。