そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
困った……もう時間がないのに……
受付の前でガックリ肩を落とし途方に暮れるていると、小林主任とやらが現れた。
体格のいいマッチョ系の主任が私を見てニッコリ笑ったからペコリと頭を下げると―――
「名前を聞いてまさかと思ったけど、やっぱり鈴音か~久しぶりだな。元気にしてたか?」
馴れ馴れしくそう言ってきたからビックリ。
……はぁ?コイツ誰?
警戒心丸出しで主任の顔を見上げる。
「覚えてないのか?俺だよ。島の分校で同じだったユウキだよ。小林ユウキ」
「小林……ユウキ?」
ぬおぉぉぉぉー!!ユウキって、あのいじめっ子だったユウキ?昔はチビだったのに、いつの間にこんなに成長したんだ?
「なんでユウキがここに居るの?」
「俺、ここの社員。高校に進学する時に島を出てその後、東京の大学に入ったんだよ。で、大和商事に就職した。
鈴音は高校行かずに島に残ったって聞いてたけど、こっちに出て来てたのか?」
「まぁ、色々あって……」
まるで友達気取りで親しく話し掛けてくるユウキがウザ過ぎる。
コイツ、子供の頃、私をいじめてたの覚えてないのか?
「で、鈴音がウチの部長になんの用だ?」
あ、そうだった……
「女部長さんに聞きたいことがあったんだけど……」
「聞きたいことって?」
「"魅惑のおっぱい"の件で……でも女部長さんが居ないならダメだな……ユウキには分かんないだろうし」
諦めて帰ろうとした私をユウキが引き止めた。
「"魅惑のおっぱい"?……待てよ。そのことなら、佐々木部長から聞いてるよ」