そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
ユウキは更に声のトーンを下げ、辺りを気にしながら囁くように言う。
「仕事はもちろんだけど、プライベートでも小林陸を自分の思い通りにしたいんだよ」
「はぁ?はぁ?はぁ?陸さんを思い通りに?」
「鈴音は知らないだろうけど、二人は以前、体の関係があったんだ。早い話しが佐々木部長は小林陸を忘れられないってことさ」
ビックワールドの社長が言ってたことは本当だったんだ……
しかーし!なんちゅー女だ!本社の部長という立場を利用して、陸さんを我がモノにしようとするなて……最低だ!
「でも、なんで二人は別れたの?」
「詳しくは知らないけど、初めはお互い割り切った大人の付き合いだったんだと思う。でも、佐々木部長が本気になったんだろうなぁ~。で、セフレの関係が崩れた。
だから小林陸は部長から離れていったんじゃないのかな?」
出た!!陸さんお得意のセフレ。処女で痛い目にあったから大人で男慣れしてる女部長ならややこしいことにはならないと思ったんだろうか?
全く……まるで盛りのついた猫じゃない。おまけに最高にややこしいことになってるし……
呆れて脱力状態。そんな私を見てユウキがニヤリと笑った。
「でも、鈴音が小林陸の彼女だったとは……意外だったな」
「えっ?彼女?」
「そうなんだろ?でなきゃ、小林陸が佐々木部長に逆らってまで"魅惑のおっぱい"を商品化しようとはしないだろうし、鈴音だって、小林陸の為にわざわざ佐々木部長に会いになんて来ないだろ?」
「ぐっ……」
ユウキのヤツ、なかなか鋭い……私と陸さんの関係が完全にバレてる。