そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
ちゃんと自分から陸さんに話すつもりでいたのに……イケメン弁護士のヤツ、余計なことを……と思いながら必死で言い訳を試みるが、陸さんの怒りは一向に修まる気配はない。
そして、更にヒートアップした陸さんに思いもよらぬ言葉を浴びせられた。
『だからお前にチビを預けたくなかったんだよ!ったく……やっぱ、お前は使えねぇヤツだな』
「……えっ」
私のこと、そんな風に思ってたの?
確かに子供の世話なんてしたことないし、ドジばっかしてたけど、私なりに精一杯頑張ったんだよ……
なのに……
ショックで何も言えなくなってしまった私に、陸さんは一方的に捲し立てる。
『お前が任せとけとか言うから信頼してチビを預けたらこのザマだ。こっちはな、飯も食わずに頭下げて営業して、後100ケースってとこまできてたんだよ。ハッキリ言ってクタクタだ。
なんか一気にヤル気が失せたな……チビのことも心配だし、明日の午前中に1000ケースいかなかったら、東京に帰る』
陸さん、投げやりになってる……
『でもな、"魅惑のおっぱい"はどんなことがあっても発売させてやるって宣言したから、その約束は守る』
「えっ……もしかして、それって、もう一つの条件を呑むってこと?」
ユウキが言ってた大和商事の女部長の部下になるってアレ?
陸さんは吐き捨てるように『あぁ』と答えた後『チビはユミちゃんに任せろ』と言って電話を切った。
結局、陸さんが頼りにしてるのはユミちゃんで、私は全く信用されてないんだ……
なんだか凄く悲しかった。陸さんの彼女になれたって浮かれていた自分が滑稽でバカみたい。信用出来ない女なんて、彼女にしたくないよね……
私、陸さんに嫌われちゃったのかな……