そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

「そのとーり!あんなヤツに俺の出世を邪魔されて堪るか!鈴音には悪いが、暫くここに居てもらうぞ」

「……こ、ここに?」

「そう……早く言えば監禁だ。ホントはガキも一緒の方が良かったんだが……まぁいい。アホ女でも小林陸にとっちゃぁ、大事な彼女なんだろうからな」


豹変したユウキを見て、私は激しく後悔していた。


ユウキは子供の頃とちっとも変ってない。コイツは根っからの性悪男だ。あんなにいじめられて分かってたはずなのに、優しい言葉にコロッと騙されコイツを信じてしまった。


私って、ホント……バカだ。


するとユウキが私を無理矢理うつ伏せにして自分のネクタイを外すと、ソレで手首を後ろ手に縛る。


「やめて……なんでこんなことするの?陸さんがユウキに何したっていうのよ?」


ベットに倒れたまま大声で怒鳴る私を冷めた視線で見下ろすユウキ。


「アホの鈴音には理解出来ないかもな……」


そう言うと、怒りに満ちた表情で話し出した―――


―――入社当時から三流大学出身のユウキは何かとバカにされ、出世から一番縁遠い存在だった。


でも、それが悔しくて、なんとか出世して周りの人達を見返してやりたいと必死で頑張ってきたそうだ。


女部長に気に入られるように彼女の機嫌を取り、無理難題を吹っ掛けられても逆らうことなく従ってきた。そして要約その努力が認められ同期より早く主任に昇進した。


そんな時、子会社の陸さんと女部長が急接近し、女部長は陸さんを販売部に欲しいと言うようになった。


でも陸さんはソレを断りユウキも安心していたんだど、女部長が今度は陸さんに課長のポストを与えてもいいなんて言い出したからユウキは焦った。


陸さんが課長になれば自分はないがしろにされる。これ以上の出世は望めないって……


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