そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
それは、私のスーパーヒーロー多摩雄のおっちゃんと女王様ことSMショップの女店長だった。
さすが多摩雄のおっちゃん!グットタイミング!!
でもホントに来てくれるとは……私の念力凄くない?自分のことインチキ占い師だと思ってたけど、実はなんかの能力者だったり?
「ぬぬっ!姫、またですか……?」
私に気付いたおっちゃんが驚いて目を白黒させている。
「多摩雄のおっちゃん!助けてー!」
ここぞとばかりに大声で助けを求めると、多摩雄のおっちゃんも慣れたもので、姿勢を低くして既に戦闘態勢に入っていた。
「おのれぇ~我らの姫に何をするー!!」
セリフまで前と同じだ。
全力疾走でこちらに向かって走って来たおっちゃんが飛び上がり、私の上を通り過ぎて行く……で、ドサッという音が聞こえた。
よし!これでユウキもお陀仏だ。と思ったら……あれ?なんか前と違う。
「なんだよ。このオッサン。危ねぇなぁ~」
なんと、ユウキがおっちゃんの必殺飛び蹴りをかわしたんだ。
振り向くと床の上で右足を抱えのた打ち回ってるおっちゃんが居た。
あ~ぁ、スーパーヒーローがなんとも惨めな姿に……可哀想。なんておっちゃんに同情してる場合じゃなかった。私はどうなるの?
「イヤ~!誰かぁ~殺されるぅー」
マジヤバいと思った私は半泣きで叫びまくる。すると頭上の空気が震えるように振動し、バシッという乾いた音と共にユウキのうめき声が聞こえてきた。
えっ?これは……もしや……
「私の大事な上客に何しやがる!」
ユウキは一番怒らせてはいけない人を怒らせてしまったようだ……
巧みにムチを操りユウキを血祭りに上げる女王様。それはまるでSMプレイの極意を見るようだった。
さすが女王様だ……無駄な動きは全くない。的確にユウキの急所を攻めている。