そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

長い沈黙が続いた―――


その間、イケメン弁護士は表情を変えることなく私の顔をジッと見つめていた。


今まで散々助けてもらったイケメン弁護士に、あんなこと言うべきじゃないってのは分かってた。でも我慢出来なかったんだ。


「そうですか……そんなに陸と一緒に居たいのですか……。あなたがそこまで言うなら、陸をここから追い出すのはやめにしましょう」

「えっ!ホントですか?」

「えぇ……ですがその代わり、一つ条件があります」

「なんですか?その条件って……」

「鈴音さんは他人の私に意見されるのが気に入らないようですので、あなたの身内の方にここ一緒に住んでもらいましょう」


私の……身内の方?……もしや……


「それって、お兄ちゃんですか?」

「残念ながらお兄様ではありません。……平島の御婆様です」

「はぁ?はぁ?はぁ?ば、ばあちゃん?」


―――イケメン弁護士の言い分はこうだ……


昼間はユミちゃんも居るが、夜になればユミちゃんは仕事で居なくなる。私と陸さんが二人っきりになり間違いが起こっては困るということらしい……


だからばあちゃんを島から呼び寄せここに住まわせるなら、陸さんを追い出さないと……


イケメン弁護士は、私と陸さんが男女の仲にるのが相当イヤみたいだ。


もう手遅れなのに……


「でも、なんでばあちゃんなの?それに、ばあちゃんは東京へなんか絶対来ませんよ」

「鈴音さんが安心して暮らす為には信頼のおける方でなければいけません。御婆様なら適任。それが出来ないのなら、陸にここから出て行ってもらうまでです」


今度は脅しかよ?ったく、イケメン弁護士って、ホント性格悪いなぁ~

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