そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
その言葉にさすがの私もキレた。
パシーーン!!
「な、何するんだ!」
突然私に平手打ちされ驚いたんだろう。ユウキが怒鳴る。
「ホンマ、ユウキはアホやな!何が一番大切か、全然分かってない!ええか?ユウキみたいな性根の腐ったクソ野郎、どうなろうと知ったこっちゃない。
せーけどな、そんなクソ野郎のことを死ぬほど心配してくれてる人がおる。
どんなに裏切られてもユウキを愛して、待っててくれてる人がおるんや!
ハッキリ言って、今のユウキのことをそこまで想ってくれる人はこの世で一人しかおらん。
ユウキの子供を産んで、一人で必死に育ててる彼女や!」
「……美和(みわ)が俺のこと心配してるって言うのか?」
私に叩かれた頬を押さえユウキが目を見開く。
「そうや!その美和さんや!あんなに酷いことされたのに、美和さんは大和商事で刺されたのはユウキじゃないかって、心配してわざわざ確かめに来たんや。
そんな風に心配してくれる美和さんを手放したら……ユウキは絶対、一生後悔するぞ!」
「でも、今更……そんな都合のいいこと……」
煮え切らないユウキの態度にイライラマックス!
「ここまで言っても分からんのか?美和さんは沖縄の実家に帰るって言うとる。ボヤボヤしとったら、ホンマに会えなくなるぞ!それでもええんか?」
「えっ……沖縄?」
「ユウキも一緒に沖縄に行け!どうせ東京を追われたら行くとこなんか無いんやろ?沖縄へ行って美和さんと人生やり直せ!!」
私は泣きながら、そう叫んでいた……
「鈴音……」
「なんや?」
「どうして俺の為にそこまで……」
「勘違いするな。ユウキの為なんかやない!美和さんの為……そして、私の為や……」