そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

「私と陸さんは愛し合ってはイケナイ関係だって分かったからです」

「だからここを出て行こうとしたのですか?一緒に居るのが辛いから?」

「はい、それに陸さんには私なんかよりずっと大切な人が居るんです。その人と幸せになってもらいたい。私が近くに居ちゃダメなんです」


目を伏せそう言うと、突然扉が開き「鈴音!!」って叫びながら陸さんが飛び込んで来た。


ゲッ!ヤバ!陸さん帰って来ちゃった……


焦ってオロオロしてる私を陸さんがギロリと睨む。


「おい!ここを出て島へ帰るってどういうことだ?」


ひぃ~完全にバレてるし……


「ビックワールドの社長に聞いたぞ!なんで黙って帰ろうとしたんだ?」


陸さんの話しによると、退院の手続きを終え病室を出ようとしたら突然社長が見舞いに来て、なかなか帰ろうとしない。


痺れを切らした陸さんは、私に今から帰るとラインした後、喋りまくる社長を置いて病室を出ようとした。


すると社長が思い詰めた顔をして、私が島に帰るって言ってるから止めて欲しいと陸さんに縋り大号泣したそうだ。


社長ったら、何やってんのよ~!私は陸さんを引き止めてって言ったんだよーバラしてどーすんの?社長のせいで作戦大失敗だ……


社長を信頼して頼んだことを激しく後悔しててると……


「あれ?陸さん……一人?愛莉さんは一緒じゃないんですか?」

「愛莉?なんで鈴音が愛莉のこと知ってんだ?」


今度は陸さんが驚きの表情を見せる。


< 253 / 280 >

この作品をシェア

pagetop