そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

陸さんが言ってることが理解出来ず、益々頭が混乱する。


すると再び喫茶店の扉が開きイケメン弁護士が入って来たんだ。


「どうやら間に合ったみたいですね。そこから先は、私からお話ししましょう……」

「いったいどうなってるの?誰でもいいから私に分かるように説明して!」


苛立つ気持ちを抑え切れず怒鳴ると、イケメン弁護士が後を振り向き誰かに声を掛けた。


入って来たのは、中年の綺麗な女性とスタイルのいい茶髪の若い女性。


「鈴音……」


私の名前を呼んだのは中年の女性だった。


「すずねぇー会いたかったよー」


そう叫んだと思ったら、突然抱き付いてきて泣き出したから私は呆然!


「だ、誰?」

「お母さんだよ。お前のお母さんだよ……」

「えぇっ!!お母さん?そんなはずは……だって、私のお母さんは……」


驚きの眼(まなこ)でイケメン弁護士を見つめると「すみません、鈴音さんのお母さんが死んだと言ったのは嘘です」と爆弾発言!


じゃあ、この人が……私のお母さん?死んだと思ってたお母さんが生きてたなんて……いったい何がどうなってんの?


「そんな顔しないで下さい。これには色々事情がありまして……今からちゃんと説明しますから」

「当然です!もう洗いざらい全て話して!」


イケメン弁護士が取り乱す私をなだめるように背中を優しく擦りながら話し出す。


「……この計画が練られたのは一年ほど前……私達の祖父、小林トメキチの体調が一段と悪くなったのがきっかけです」

「ちょ、ちょっと待って!トメキチじいちゃんは三年前に死んだんじゃあ……」


そうだよ。三年前、トメキチじいちゃんが家の前の畑で倒れてて、ドクターヘリで本土の病院に運ばれたんだ。それから暫くしてばあちゃんにトメキチじいちゃんのことを聞いたら、死んだって……


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