そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
―――なんでも、ばあちゃんがそんな夢を見るようになったのは、10年ほど前からだそう……
きっかけは、十二単を着た綺麗な姫が夢枕に立ち、ばあちゃんの頭を撫でたのが始まりだった。
それ以来、見る夢が現実になったり、離れている人のことが分かったりした。
「そんな話し、初めて聞いた」
「当然や、初めて話したんやでな」
「なんで?私には教えてくれてもえかったやん」
「アホ!他言無用って言われとったんや。約束を破ったらどんな祟りがあるかわからんやろ?」
なるほど……
「……で、他には?どんな夢見たの?」
軽い気持ちでそう聞いたのが間違いだった。ばあちゃんはここに居る人達が出てきた夢の数々を語り出したんだ。
「太一郎、久しぶりやな」
「はい、お久しぶりです。静香さんもお元気そうで何よりです」
「そう言うお前も元気そうやな。特にあっちの方が……会社のパソコンでエッチな画像ばっか観てるんやないぞ!」
イカれたおっちゃんの顔色が変わる。
「どうしてそれを……」
「変なサイトを開いて高額請求されたやろ?そんなことしとらんと仕事せえ!」
全く反論出来ないイカれたおっちゃんが全員の冷たい視線受けシュンと下を向く。
「多摩雄、お前もムチでぶたれて喜んでんじゃないぞ!女王様って誰だ?」
「ぐっ……」
多摩雄のおっちゃんは自分の恥ずかしい性癖を暴露され絶句。そして私以外の人達はドン引き。
その後も、お母さんがラスベガスで金にモノを言わせ若い男を食い物にしていたことや、菜月ちゃんがオーディションでスリーサイズを誤魔化していたことを言い当てた。