そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
「それと……宅磨はなぁ~離れて暮らしていた鈴音が可愛いと思うのは仕方ないが、恋人でもないのに抱き枕に"鈴音"って名前を付けて、毎晩ソレを股に挟んで寝てるってのは……どうなんや?
ワシはお前の将来が心配や……」
「お、お兄ちゃん……マジ?」
「あ、いや……その……すみません」
これは純粋なお兄ちゃんの愛情だと思っていいんだろうか……でも、素直に喜べないのは……なぜ?
そしてユミちゃんには、私の面倒を見てくれて有難うと頭を下げる。
「で、陸……お前は鈴音の命を救ってくれた恩人や。怪我したんやろ?すまんかったな……」
「いえ、そんな……」
「せーけどや!お前はワシが大事に育ててきた鈴音の操を奪ったふとどき者や!」
ゲッ!!ばあちゃん、皆の前でなんちゅーことを……
「でもまぁ、優しく抱いてやってくれたようやし、鈴音も喜んどったみたいやで許したる」
ひぃ~まさかそんなのまで夢で見たのぉ~?完全に覗きじゃない!
陸さんも相当恥ずかしかった様で耳まで真っ赤になってる。
するとばあちゃんが急に真顔になり陸さんの手を握り言ったんだ……
「陸、ええか?その責任を取って鈴音と結婚しろ!何がなんでも鈴音を幸せにするんやぞ!」
あ……
陸さんが私をチラッと見て、迷うことなく「はい」と即答した。
「鈴音も、それでええな?」
陸さんと私が……結婚?ちょっと前まで陸さんと別れることを考えていたのに……こんなことになるなんて想像も出来なかった。
「うん……うん……」
このミラクルな展開……まるで夢みたい……
周りの皆も喜んでくれて祝福の声が飛び交う。ただ一人、しかめっ面のお兄ちゃんを除いて……
ごめんね、お兄ちゃん、お兄ちゃんがどんなに反対しても、私は陸さんが好き。この世で……一番、好き。
私は堪らず陸さんに抱き付いていた。