そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

「……サル?」


微妙な反応。東京では十二支はメジャーではないのか?


「じゃあ、君が静香さんの孫の?」

「はい、小林静香の孫の鈴音です」


でっぷりと太ったコレステロールの塊みたいなおじさんが笑顔を見せたと思ったら、全身の肉を揺らしながら駆け寄って来て私の手をギュッと握る。


うわぁ~なんだ、この無駄に高い体温は?それにベトベト……気持ち悪りぃ~


「そうかー!いや~よく来たねー私が社長の小林太郎です」


ゲゲッ!この人が神と崇められている島の誇り?銅像はスマートでダンディーなおじ様だったのに……ただの太ったオッサンじゃない。激しくイメージダウン……


「まぁ、初めは色々戸惑う事もあるだろうが、少しずつ慣れてくれればいいから」

「はぁ……」


今一番戸惑っているは、そう言う社長の存在だなんて、当然、常識のある私には言えるはずもなく苦笑い。


「我が社はね、お菓子の企画販売をしているんだよ」

「お菓子?」

「アブノーマルな大人のお菓子を作ってます」


そう言うと、デスクの上にあったモノを自慢げに私に見せた。


「……なんじゃそれ?」

「ふふふ……これはね、男性のシンボルを模った飴ちゃんだよー」

「ブホッ!!」


コイツ……絶対に、神じゃない……

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