そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

「なるほど……」


て、納得してるし……


「そんな訳ですから、もう2、3日待って頂けませんかねぇ~」


試作品……出来てないんだ……


「でもなぁ……」


「お願いします!!」そう言って頭を下げてる社長をため息混じりに見つめていた男性の視線が突然、私に移った。


「小林社長……それより、この風呂敷包みを背負った娘は……誰?」


「えっ?私?私は新入社員の……」と言い掛けた私を押し退け社長が大声で叫ぶ。


「よくぞ聞いてくれました!この娘は歌舞伎町では有名な千人の男をたらし込んだ伝説の女性。鈴音ちゃんです!!我が社の社運を掛けヘッドハンティングした性の伝道師です!!」


へっ??性の伝道師?てか、私って有名なの?


「ほほーっ……また凄い社員を雇ったなぁー。見た目はパッとしない田舎臭い女なのに、へぇ~千人ねぇ~」


男性の目が怪しく光り私を舐める様に凝視する。そして何を思ったか、耳元に顔を近づけ囁く様に言ったんだ。


「……今度、お手合わせ願いたい」

「えぇ……っ!!」


若い男とこんなに接近したのは初めてなのに、いきなり耳に熱い吐息を吹きかけられ免疫のない私の体はカチンコチン。全身鳥肌ブッツブツ。


「さぞかし凄いテクニック持ってるんだろうな?」

「ひゃゃぁ……テク…?テクって…?」

「楽しみにしてるよ」


なんだこの男!初対面なのに、めっちゃ馴れ馴れしい!


「じゃあ、また」


何事もなかった様に部屋を出て行く男性。それと同時に私の両方の鼻の穴から生温かい鮮血がほとばしる。つまり早い話しが鼻血ブーだ。


東京の男って、皆こんななの?刺激強過ぎてチビリそう……


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