そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

イケメン弁護士が何を考えているかは知らないが、このままじゃインチキ占い師にされてしまう。そんなのまっぴらごめんだ。


「私なんかより、もっと信頼出来る占い師さんにお願いした方がいいと思いますが……」


一応、遠慮気味そう言ってみた。けど、白髪のおっちゃんは「それは出来ません!」と私の提案を一刀両断。


「どうしてですか?」

「それは、私達がここで集まっていることを他人に知られては困るからです」

「えっと……私も十分、他人だと思うんですが……」

「いえ、あなたは他人ではありません」


はぁ?どう考えても赤の他人でしょ?こんな大量のおっちゃん達が身内に居るなんて聞いたこともない。


「我々は、平島のファミリーなのですから」

「平島って……じゃあ、ここに居るおっちゃん達は皆、平島出身なんですか?」

「そう。でもそれだけじゃない。我々は、ある重要な任務を担っているのです。これは、平島以外の人間には知られてはいけない極秘事項」

「極秘事項ですか?」


なんだか凄い話しになってきた……でも、こういう秘密めいた話しは嫌いじゃない。むしろワクワクする。


なんて思っていると、白髪のおっちゃんがおもむろに白い箱をテーブルの上に置く。


「あなたに琴音さんの後を継いで欲しいワケは、もう一つあります。それが、コレです」


そう言いながら神妙な顔で箱の中から何かを取り出したんだ。


んっ?えぇっ!!


「これって、まさか……うぎゃああああああーーー!!!!!」


それは、ありえないほどおぞましい代物で、私が人生最大の恐怖を感じた瞬間だった……

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