そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

「なま……なま……生首」


ソレは、どう見ても女性の生首だった。驚きと恐怖で腰が抜けて動けない。


このおっちゃん達、もしや殺人集団?だから他人に知られたくないのか?で、何?私にその仲間に入れってこと?


「イヤ~!!絶対イヤ~!!どうかお許しを~!!」


絶叫する私を冷めた目で見つめるイケメン弁護士。


まさか彼も殺人集団の仲間なの?


で、白髪のおっちゃんはというと、生首を小脇に抱え不思議顔。


「どうかしましたか?」

「な、どうもこうもないですよ!その生首はなんですか?」

「えっ?生首?いやいや、生首なんかじゃないですよ。この方は鈴姫様です。古文書に書かれていた鈴姫様の特徴を元に忠実に復元したお顔ですから」

「復元?じゃあ、作りモノってこと?」

「当然です。鈴姫様は平安時代のお方ですからね。そこに居る科捜研の復元技師が最新の科学技術を駆使し、三ヶ月掛け仕上げた大作です」


なんちゅー紛らわしい大作だ。本物の生首にしか見えないよ。


「このお顔をよく見て下さい」


ウゲッ!作りモノだと分かっていても気味悪い。露骨に嫌な顔をしながら横目でチラリと見てみると……


「んっ?んんっ?」

「似てるでしょ?」

「……えっ?マジ?」


そのなんちゃって生首は、私にソックリだったんだ……


「古文書には、鈴姫様は未来の出来事を予言する不思議なお力があったと記されていました。そして、鈴姫様が亡くなられる前の最後のお言葉が『千年ののち、我蘇る』だったそうです。

鈴音さん、あなたは鈴姫様の生まれ変わりかもしれません」

「…………。」


生まれ変わり?なんだそれ?アホくさ!


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