そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
「で、その生首姫って、何者なんですか?」
「生首姫とは失礼な!いいかね?鈴姫様は、歴史から抹殺された可哀想な姫様なのですよ」
「抹殺とは、また物騒な話しですね」
「そう、話しは平安末期、壇ノ浦の戦で平家が源氏に敗れた頃にさかのぼります……」
そこから白髪のおっちゃんの長い昔話が始まったんだ……
平清盛の娘、徳子が高倉天皇の女御となり、後の安徳天皇を産んだのだが、実は安徳天皇は双子で、もう一人女の子が生まれていたらしい。
当時、双子は余り好ましいものではなかった為、その女の子は秘密裏に平家に預けられ平家の姫しとして育てられた。
でも、存在を公には出来ないので、お屋敷の中でひっそりと過ごしていたそうだ。そんな時、平家が源氏に滅ぼされ、鈴姫も数人の家臣と共に逃亡の日々。
そして、辿り着いたのが小さな離島。
「平島という名前は、それが由来なのです」
「ほほーっ、なるほど!」
「その後、成長された鈴姫様は未来を予言するようになり、お陰で源氏に捕らわれることなく生きのびることが出来た。
しかし、平家が滅亡したことをとても悲しまれ、いつかもう一度、平家の世が来ることを強く願われていたそうです。
姫様亡き後もその思いは家臣やその家族の親から子へと語り継がれ現在に至るのです」
「ちょっと待って下さい。私はそんな話し聞いたことないですよ」
「当然です。これは男子のみに語り継がれてきたものですから」
男子のみ?なんかヤな感じー男ばっかひいきじゃん!