そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

「どうして……?」

「あんまデカい声出すな。外までまる聞こえだぞ」


おこちゃま詐欺師野郎が、なんでここに居るの?


でも、私が驚いたのは、それだけじゃなかった。


「陸、どこへ行ってた?今日は皆さんが集まるから店に居るよう言ってあっただろ?」


不機嫌そうな顔をしたイケメン弁護士がおこちゃま詐欺師野郎をギロリと睨む。


この二人、知り合いだったんだ……


「ったく、こっちの都合も聞かずに勝手に決めんな!土曜日は保育園は昼までだからお迎えに行ってたんだよ」


ムッとしたおこちゃま詐欺師野郎の胸に抱かれていたのは、無邪気に笑う小さな男の子。


知らなかった……この人、子供が居たんだ……なのに私を誘ったりして、信じらんない。


「あなた……結婚してたの?」


けど、おこちゃま詐欺師野郎は私の質問には答えず「だから言っただろ?」とため息を付く。


「えっ?なんのこと?」

「島へ帰れって言ったろ?せっかく忠告してやったのに……」

「あ……」


この人は知ってたの?私がここに来ることを……


謎だらけのおこちゃま詐欺師野郎を問い詰めようと身を乗り出す。けど、白髪のおっちゃんが私達の間に割って入りイケメン弁護士に強い口調で言ったんだ。


「宅磨君、君は鈴音さんになんの説明もしていないようだな。このままでは話しは平行線だ。君が鈴音さんを納得したまえ」

「……分かりました。では鈴音さん、ここを出て少し話しましょう」


えっ?えっ?ちよっと待ってよ!


「あの、私、まだこの人に聞きたいことが……」


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