そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

「独身?」


離婚して子供を引き取って一人で育てているのかな?


「これ以上は陸のプライベートなことですから、私がお話し出来るのはここまでです。時間がありませんので、そろそろ本題に入りましょう」


あ、そうだった。そっちのことをすっかり忘れてた。


「で、あのおっちゃんの集団はなんなの?」

「私の説明不足で失礼しました。彼らは、そうですね……例えればフリーメーソンみたいな方達です」

「フリーメーソン?」


その例えが意味不明なんだけど……


「フリーメーソンとは、全世界に600万人の会員が居ると言われている秘密結社です。歴代のアメリカ大統領の中にもメンバーが居たと言われていて、政治や経済などを裏で操ってきた謎が多い集団です。

喫茶店に居た方々も世間では地位の高い日本の政治経済の中枢に居る人達ばかりで、この国を牛耳ることを夢見ています」

「じゃあ、本気で平家の世を取り戻すつもりでいるんだ……」

「そうですね」


イケメン弁護士の話しによると、その手助けをしていたのが私のお母さんだったそうだ。


重要な決断を迫られると必ずお母さんに占ってもらって決めていたと……


そんなこと聞かされたら、余計にお母さんの後を継ぐワケにはいかないと思ってしまう。


「やっぱ、無理です。私にはそんな能力ないし……」

「それは大丈夫です。琴音さんにも未来なんて見えてなかったんですから」

「はぁ?どういうことですか?」

「適当に好き勝手なこと言ってただけです。琴音さん曰く、それらしいことを言ってやれば、後は相手がいいように判断する。自分はそのきっかけを作ってやってるだけ……」


なんじゃそれ?要するに、お母さんもインチキ占い師だったってこと?


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