そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

鼻の穴にティッシュをねじ込みながら、横でヘラヘラ笑ってる社長を睨み付ける。


「なんですか!!今の?」

「いや、すまんすまん。ああでも言わないと大人しく帰ってくれないと思ってさぁ~。前からもっと発想力のある人間を雇えって言われてたんだよ。

彼は我が社の商品を卸してるYAMATOの社員でね、色々注文が多くて参ってるんだ。でも彼が気に入った商品はかならずヒットするから逆らえなくて……若いのに目は確かなんだよね~」

「で、私が性の伝道師になった……?」

「そーそー!"性の伝道師"って、なんかカッコ良くない?」

「どこが?大迷惑です!」

「でも、鈴音ちゃんがドアを壊してくれたから上手く誤魔化せたよ。あ、そのドアの修理代は給料から天引きしとくから心配しないでいいからね」

「え゛……私が払うの?」

「当然でしょ?鈴音ちゃんが壊したんだから」


あう~上京していきなり借金を背負ってしまった……


ガックリ肩を落としうな垂れる私の背後から、今度は甲高い雄叫びが聞こえてきた。


「うぎゃゃゃゃーー!!なんだぁーこのドアはー!!」


顔面蒼白で騒いでいたのは、ありえないほどお肌ツルツルの色白ぽっちゃりデブとゴボウみたいにひょろひょろで長身の色黒男。


「あ、森ちゃん、山ちゃん、おかえり~」

「社長!!何があったんですか?テロ?自爆テロ?」


なんだそれ?自爆なんかしてねぇ~し……


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