そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
そんなはずは……だって、情報源のエロ本では、男は処女好きと決まっていた。
「興味ないなら、なんで胸揉んだんですか?」
「んっ?そうだな……大きさも形も結構良かった。触り心地を確かめたかっただけだ」
「興味ないのに確かめてどーするの?」
「別に……ただそれだけだ。深い意味はない」
素っ気なくそう言うと、眠そうにあくびをする。
「俺はもう寝る。お前も寝ろ」
気だるそうに立ち上がり部屋を出て行く陸さんを無言で見送り再び布団を被るが、なんかモヤモヤして納得出来ない。
アイツ、全く理解不能だ。でも、いくら処女に興味ないと言ったって、半裸の私を完全スルーするなんて……私って、そんなに魅力ないの?
でも、まぁいい。こっちだって子持ち男なんかに興味はない。お互い様だ。
――――で、次の日
目を覚ますと、もうお昼をとうに過ぎていた。
まだ少し気分は優れなかったが、お腹もすいたことだし起きることにし、部屋を出て廊下をウロウロ。
階段を見つけたので取り合えず下りてみると、すぐに引き戸が現れ少し開いたドアの隙間から微かにコーヒーのいい香りが漂ってきた。
その香りに誘われるようにドアの隙間からソッと中を覗くと、どうやらそこは喫茶店の厨房のよう。
すると何やらゴソゴソと音が聞こえてきて、何気に視線をゆっくり音のする方に向けたら……
「ぬおーっ!!」
なんと!厨房の隅で男女が濃厚チューの真っ最中!
女の人は誰か分かんないけど、男の方は背中に小さな子供をおんぶしてる。
なんちゅうシチュエーションだ……