そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

間違いない。あの男は陸さんだ……


そう確信した瞬間、なぜか胸がチクリと痛み凄く嫌な気分になった。その感情がなんなのか、自分でもよく分かんない。


それでも目を逸らすことが出来ず、二人の唇が重なる様を食い入るように見つめていた。


次第に大きくなるリップ音。彼の手が女性の胸を激しく揉みしだき、もう片方の手でミニスカートをたくし上げると、女性の口から甘い吐息が漏れる。


子供おぶったまま、こんなとこで何やってんのよ……


と、思った時だった。店の方の入り口で声がした。


「お取り込み中悪いがお邪魔するよ」


現れたのはイケメン弁護士。全く動揺する様子もなくいつものポーカーフェイスだ。


「昼間っから、お盛んだな」

「フン!いいとこだったのに邪魔しやがって……で、何しに来た?」


女性から体を離した陸さんが背中で眠ってる男の子を気にしながら愛想なく言う。


「鈴音さんに占いの件で話しがあってな……」

「あぁ、アイツならまだ琴音さんの部屋で寝てるぞ」

「いや、もう起きてるだろ?ほら、そこ……」


イケメン弁護士がニヤリと笑いながらこっちを指差したからビックリ!


うそ……覗き見してたのバレてた?


焦りまくってオロオロしてると目の前の引き戸がスーッと開きイケメン弁護士が顔を覗かせた。


「凄いギラギラした目で覗いてましたね。陸とユミちゃんのラブシーンは刺激的でしたか?」


えっ……ユミちゃん?じゃあ、この人が昨夜言ってたバイトのユミちゃん?


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