そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

……マジかよ?


私が勝手に想像していたユミちゃん像は、小柄で明るく可愛いイメージだった。でも実際のユミちゃんは、それはそれは色っぽいお姉さんで、メリハリあるボディーラインは女の私でもドキリとするほど。


ピッチピチのショッキングピンクのカットソーが、はち切れそうなたわわな胸とくびれた腰をこれでもか!と言わんばかりに強調し、ヒョウ柄のスカートは穿く意味あるの?と疑問に思うほどの超ミニ。


なるほど……陸さんは、こういうタイプがお好みなのか……と納得していると……


「アンタが琴音ママの娘?」


真っ赤な唇を尖らせながら私をジロジロと見つめる。


「あ、はい……小林鈴音、申年生まれの21歳です」

「えーっ!申年?マジ~?」


絶対スルーされると思ってた申年に食いついてきた。


「あたしも申年だよ~!!タメじゃん」

「えぇっ!!同い年?」


ありえねぇ~こんな色気ムンムンの姉ちゃんが同い年なんて、やっぱ東京の人は小さい頃から牛を食べてるから発育がいいのか?


なんて考えいると、イケメン弁護士がユミちゃんの肩をポンポン叩きながら「この娘(こ)も、ここに住んでるんですよ。仲良くして下さいね」と言ったんだ。


「はぁー?ここに?そんなの聞いてませんよ?」

「当然です。今、言いましたから」


またこれだ。どうでもいいけど、なんで全て事後報告なの?


ムッとしてイケメン弁護士を睨み付けるが、どうも彼にはその思いは通じていなかったようで、私の腕を掴み「では、行きましょう」と歩き出す。


「どこ行くんですか?」

「占い部屋へご案内します。既に本日3時に占いの予約が入っていますので……」


だから~そういう大事なことをどうして前もって言ってくれないかなぁ~


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