そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
どうしよう……どうしよう……と思っている間に強引にエレベーターに乗せられた。
誰も居ないエレベーターの中は密室状態。それをいいことに、ジョーが体を密着させてくる。
「やめて……離れて下さい……」
軽く拒否ってみたが、彼は私が照れているのだと勘違いしたようで「可愛いね」なんて言いながら、お尻を撫でまわしてる。
―――もう限界だ。ユミちゃんには悪いが、こんな男に処女を捧げる気にはなれない!
エレベーターの扉が開いたのと同時に彼を突き飛ばし廊下に駆けだす。が、ジョーも慌てて追いかけて来た。
必死に走ったけど、さすがに男性の足には勝てず捉まってしまい羽交い絞めにされ廊下をズルズル引きずられて行く。
「今更逃げるな!こっちはもうその気なんだからな!」
ヤる気満々のジョーに怒鳴なれ、初めて恐怖を感じた私はもがきながら大声で叫ぶ。
「誰かぁー!助けて~!!」
しかし廊下に人の姿はなく助けてくれる人が現れる気配もない。
もうダメだ……私はこのままジョーに無理やり処女を奪われるのか……と思った時、近くの客室のドアが勢いよく開きバスローブを着た男性が顔を覗かせたんだ。
ここぞとばかりに手足をバタつかせ助けを求めると……
「誰だ?うるせーぞ!!静かに……あぁっ!!」
「おぉ!!あなたは……」
「姫じゃないですか!どうされました?」
それは、喫茶店で私をベロベロに酔っぱらわせた張本人、強面のおっちゃんだった……
しかし、ヤることしか頭にないジョーはおっちゃんのことなど気にする様子もなく尚も私を引きずり続けている。
「とにかくなんでもいいから助けて~」
私の叫び声を聞きいた強面のおっちゃんの顔色が変わった。