そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
私の知らない禁断の世界に足を踏み入れてしまったような複雑な気分。
強面のおっちゃんと女王様が入って行ったドアを暫く言葉もなく見つめ、改めて東京という所は刺激的だと感心ていると、バックの中でスマホが鳴り出した。
「んっ?小林宅磨……?誰?」
ディスプレーに表示された名前に首を傾げながら電話に出てみると……
『おい!!今、どこに居る?』
んっ?この声は……イケメン弁護士?
おぉー!!今更だけど、イケメン弁護士の名前は小林琢磨だったんだー。名前で呼んだことなかったからすっかり忘れてた。
いつも何があっても動じないあのイケメン弁護士が珍しく取り乱し大声で叫んでる。
「えっ?どこって……ホテルの廊下……」
『ホテル?男はどうした?一緒なのか?』
男?……なんでイケメン弁護士がジョーと居ること知ってるの?それに、いつもの言葉遣いと全然違う……
動揺しまくり答えに困っていたら、更に強い口調でイケメン弁護士が怒鳴る。
『いいか?今すぐホテルの玄関まで来るんだ!こっちももう直ぐ到着する』
「到着?えっ?ここに来るんですか?てか、どうして私の居場所が分かったんですか?」
……あれ?切れてる……いったい、どうなってんだろう?
失神しているジョーが気掛かりだったが、強面のおっちゃんもああ言ってたし、よく分かんないけど取り合えず玄関まで行くことにした。
ホテルのロビーを突っ切り玄関まで来ると、既に車寄せにイケメン弁護士の車が止まっていてビックリ!
「早っつ!もう来てる」
運転席からイケメン弁護士が降りてきてこっちに向かって歩いて来る。ニッコリ笑い掛け手を振る私。
「どうしたんですか?弁護士先生」
……でも次の瞬間
――――バシッ……
頬に強烈な痛みを感じ体がよろめく。