そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
そうだ!間違いない!イケメン弁護士は私のことが好きなんだ!
だって、トレンディードラマで同じような場面を観たことがあるもん。
大抵こういう場合、主人公の女性は男性の優しい気持ちに気付かない天然キャラなんだよなぁ~。それどころか、なんで怒るの?そんなに私のことが嫌いなの?って勘違いする。
そんで男性が『バカ!お前のことが心配なんだよ!……好きだから……』な~んて流れになる。ありがちなパターンだ。
しかーし!私はそんな天然ボケキャラではない!イケメン弁護士の気持ちは全てお見通し!
なんてほくそ笑むも、一つだけ心配なことがあった。
私が処女だとバレてしまったことだ。陸さんの時みたいに私に対する興味が一気に失せてしまったら……どうしよう……
と、あれこれ考えてる間にもう喫茶店に到着していた。車を降りた陸さんが店に入るのを確認し、私はもう一度、イケメン弁護士にお礼とお詫びを言う。
「いえ……私も取り乱して失礼しました」
彼も少し落ち着いたようで、いつもの冷静なイケメン弁護士に戻っていていた。
「あの……もしかして、もう私のこと嫌いになりました?」
ドキドキしながら彼の返事を待つ。するとイケメン弁護士がゆっくり首を振り「いいえ」と答えたので、思い切ってアノことを聞いてみることにした。
「私……処女ですけど……いいですか?」
彼にとって、それは予想外の質問だったのだろう……
「えっ?」と小さな声を上げ少し驚いた顔をする。でもすぐに……
「もちろんです。むしろあなたが処女のままで戻って来てくれて良かった」
そう言って、あの爽やかな優しい笑顔を私に向けたんだ……