そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
女性と関係を持って二ヶ月が過ぎた頃、陸さんは突然彼女から別れを告げられた。
驚き理由を聞くと、陸さんの会社の女性から携帯に電話があり、陸さんと結婚することになったから別れて欲しいと言われたと……
直ぐにあの女性だとピンときた陸さんは誤解だと必死で彼女をなだめた。けど……彼女の口から衝撃的な言葉を聞き絶句する。
「―――その人、妊娠してるそうよ……」
愕然とし、急いで女性のマンションに行き話しを聞くと、妊娠したのは事実。責任を取って結婚して欲しいと言われた。
目の前が真っ暗になったそうだ……
自分の愚かな行動が原因だということは十分、分かっていた。責任を取る覚悟もした。けど、結婚だけはどうしても出来ないと自分の正直な気持ちを女性に伝えた。
すると女性は、職場の上司に陸さんに無理やり犯され妊娠したと嘘をつき、自分の親には、陸さんが結婚すると約束したのに騙されたと言ったそうだ。
「……その結果、陸は会社をクビになり、女性の両親には婚約不履行で訴えられたのです」
「そんな……酷い」
「私がアイツの弁護を引き受け、なんとか最終的には和解が成立しましたけどね」
陸さんにそんな過去が……てことは、あのチビちゃんがその時の子供か……責任を取って子供を引き取って育てているんだ……
お気の毒としか言いようがない。
「だから陸さんは処女の女性を嫌がるようになったんですね」
「……ですね。あんなことがあったのですから当然かもしれません」
大きく頷き納得してる私に、イケメン弁護士が真剣な表情で諭すように言う。
「いいですか?鈴音さん、もう二度とこんなバカなまねはしないで下さい。あなたには、好きでもない男と関係を持つような軽い女にはなってほしくない……」
「あ……」