そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

トレンディードラマがどういうモノなのかをユミちゃんに説明するに30分掛った。ようやくドラマの内容を理解したユミちゃんが大笑い。


「ヤダァ~鈴音っちったらぁ~そんなカッコいい男なんて居るワケないじゃーん」

「えぇっ!居ないんですか?」

「居ない居ない。そんなのドラマの中の話しだって~現実を見なきゃ~」


大ウケしてるユミちゃんを見て少なからずショックを受けてしまった……で、疑問が一つ。


「じゃあ、陸さんは素敵な彼氏ではないんですか?」

「陸君?陸君は彼氏なんかじゃないよ」

「はぁ?彼氏じゃない?……だって、さっきまで……その~エッチしてたでしょ?」


そーだ!そーだ!お陰で私はえらい迷惑を被(こおむ)ったんだ!


「エッチはしてたよ。でも陸君とは付き合ってないもん。ただのセフレだよ」


はぁ?エッチしてるのに付き合ってない?それにセフレとは……なんぞや?


全く意味が分からない私に、今度はユミちゃんが親切丁寧に説明してくれた。


「うっそー!!カラダだけの付き合いって……そんなのアリなんですか?」

「もちアリだよ。陸君のことは好きだけど愛してはいないし、お互い付き合ってる人が居ないから丁度いいかなぁ~って、割り切った関係だね」


アッケラカンと笑いながら凄いことを言ってくれる……私にはそんな関係、全くもって理解出来ない。


「じゃあ、陸さんに好きな人が出来たらどうするの?」

「その時はセフレ解消だね~。でもさぁ、陸君優しいしエッチ上手いから、手放すのちょっと惜しいかも」


なんて言うユミちゃんの言葉に、なんとなく違和感を覚えた。


……優しい?あの無愛想な陸さんが優しいの?


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