そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】
――――そんな調子だから、会社に行ってもボーッとしてため息ばかり付いていた。
「鈴音ちゃん、さっきからため息ばかり付いてどーしたの?」
社長が変態アメを舐めながら興味津々って顔で聞いてくる。
「別に……どうもしませんよ」
「あ、そー言えば、あれから陸君とどうなったの?付き合ってる風でもないし……上手くいかなかったの?」
このタイミングで、なんでそんなこと聞くかなぁ~
「付き合ってなんかないですよ!」
「えっ?そーなの?まぁね、陸君モテるもんね。前は親会社の女部長ともいい仲だったりしたし……でもシたんでしょ?ねぇねぇ、陸君ってアレの時はどんな感じ?激しいの?」
余りにも能天気な社長にブチ切れてしまった……
「うっせーんだよ!!黙ってろ!!デブ!!」
私が叫んだ"デブ"という言葉に傷付いたのか、社長は定時になるまでシュンとして一言も喋らなかった。静かで良かったけど、ちょっと可哀想だったかな……
けど、社長の言ってた親会社の女部長とやらが妙に気になる。陸さんって、いったい何人の女性とシてんのよ!!女たらしもいいとこだ。
自分でもどうしてこんなに腹が立つのか分からない。感情のコントロールが出来ず、とにかくイライラして仕方ない。
情緒不安定だ……
それでもなんとか気持ちを落ち着かせ喫茶店に帰るとイカれたおっちゃんが来ていて、私を見るなり駆け寄って来た。
「あれ?今日は占いの予約入ってなかったですよね?」
「突然で申し訳ない。どうしても姫に報告したいことがあってお邪魔したんですよ」
「報告?」