ズボラ女子が恋をした場合。
あの日、家に帰ってから枕に顔をうずめて雄叫びを上げた。
つくづく、人間の気持ちってやつは難しいし、ややこしいと思った。
遥斗には気持ちをまだ伝えていない。
いざ顔を見ると、何も言えなくなっちゃう臆病な自分が居る。
気持ちは固まっているはずなのに、好きっていう二文字が言えない。
カフェは思った以上に繁盛した。
「お待たせいたしました、フレンチトーストとアイスコーヒーです」
不慣れながらもオーダーされたものをテーブルに運ぶ。
「あの、一緒に写真撮ってくれませんか?」
「え、私ですか?」
男子高校生4人組のテーブルで、驚くことにそんなことを言われた。
「いやこいつ、さっきからめっちゃ可愛いってずっと言ってたんすよ」
写真を撮ろうと声をかけてくれた男子は、
「ちょっ、言うなよっ!」
他の男子に指摘されて顔を真っ赤にしてる。
いやいや、こっちまで照れるから……。