ズボラ女子が恋をした場合。



あの日、家に帰ってから枕に顔をうずめて雄叫びを上げた。
つくづく、人間の気持ちってやつは難しいし、ややこしいと思った。


遥斗には気持ちをまだ伝えていない。

いざ顔を見ると、何も言えなくなっちゃう臆病な自分が居る。
気持ちは固まっているはずなのに、好きっていう二文字が言えない。




カフェは思った以上に繁盛した。


「お待たせいたしました、フレンチトーストとアイスコーヒーです」

不慣れながらもオーダーされたものをテーブルに運ぶ。



「あの、一緒に写真撮ってくれませんか?」
「え、私ですか?」

男子高校生4人組のテーブルで、驚くことにそんなことを言われた。



「いやこいつ、さっきからめっちゃ可愛いってずっと言ってたんすよ」

写真を撮ろうと声をかけてくれた男子は、

「ちょっ、言うなよっ!」

他の男子に指摘されて顔を真っ赤にしてる。


いやいや、こっちまで照れるから……。


< 162 / 185 >

この作品をシェア

pagetop