ズボラ女子が恋をした場合。



「写真、私でよかったら……」
「えっ、本当!?やった!」

なんというか減るもんじゃないし、こんな私でも何かの記念になるなら!!


その男子は立ち上がると私の横に並び、お友達がこちらへスマホを向ける。


「ありがとうございます、あの、よかったら連絡先を教えてもらえませんか?」
「あっ、えっと「鈴菜ちゃん」

「ごめんね遅くなって、この時間から休憩でしょう?行こ?」

にこっと笑って、ぺこりと男子高校生たちに頭を下げる日向が居た。



「あっ、ごめんね、そりゃ彼氏いるよね」
「いえ……」

彼氏じゃないんだけど、たぶん、日向は助け舟を出してくれたんだろう。



廊下に出て、

「ありがとう日向」
そう言うと、日向は頭を左右に振った。



「全然。いつも可愛いけど、今日は特に可愛いから気を付けないと」

あぁ……、ダメだ。

そんなこと言われると、キュンとしちゃうじゃん。



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