ズボラ女子が恋をした場合。
あの時、高校生のお姉さんとお兄さん、みんな楽しそうで、すごくキラキラして見えたんだよなぁ。
年なんてそんなに変わらないはずなのに、なぜかすごく大人に感じたんだよなぁ。
確かあの時も遥斗と一緒に来たんだよね、懐かしいな……。
遥斗は今確か、入り口で客集めしてたはず。ちゃんと水分取ってるのかな。
「鈴菜ちゃん?」
「え?」
「少し疲れた?」
「あー、いや…、そうかも、あはは」
遥斗のことを思い出してたとは言えない……。
「さっきのクラス、アイス売ってたから買ってくるよ、それ食べながら少し休憩しない?」
「うん、…そうだね」
「この辺でいい?」
中庭に来て、日陰のベンチに腰掛ける。
「ありがとう、いくらだった?」
「いいよ、校舎案内してくれたお礼」
「でも「いいの、ほら、溶けるよ」
日向はそう言って、アイスをスプーンですくって、口へ運ぶ。