ズボラ女子が恋をした場合。
【番外編】恋のキューピットたち 美咲&拓哉
―――――――……
――――――……
「へぇー、良く撮れてるねー!」
新聞部の文化祭特別号の一面は、遥斗とすずのツーショットがでかでかと載っていた。
「いや、しかし今回の作戦は結構ひやひやしたね」
拓哉は紙面の写真を見て、しみじみと思い返す。
「本当だよー。ミスター東に選ばれたら必ずインタビューがあって、そこで大体女子が喜ぶ恋愛系の質問をされて、公開告白もまぁよくあったって先輩から聞いてたからさ」
美咲はそう言って、アイスコーヒーを一口飲む。
拓哉の部活がない学校帰りの、ちょっとした寄り道。
冷房のよく効いた駅前の喫茶店は美咲と拓哉のお気に入りだ。
「そうだなー、でも、あそこで清谷のことを考えたのはやっぱ、さすがだわ。だからこそ、俺たちがさ、推薦枠は遥斗に入れよって声かけたら、みんな入れてくれたんだろうな」
「うん、そうだねー。まぁ何より、遥斗は普通にイケメンだしね!もともとファンの女の子も多かったし」
「ねぇ、なに、ちょっと妬けるんだけど」
拓哉は少し拗ねたような顔で美咲を見つめる。
「だって、本当のことじゃん」
「うん、知ってる。あいつかっこいいしいい奴だもん。でも美咲が好きなのは?」
「……拓哉」
「よくできました」
そう言って、拓哉は美咲の頭をポンと撫でる
「あ、照れた、チューする?」
「こらっ!調子に乗らない!」
「すんません」