もっと甘く ささやいて

γ．完璧主義な彼

翌日デイビットのオフィスでお目にかかったアーティストはジュデェス・クロエという名前のイギリス人だった。

「初めまして。」年齢は３５歳くらいか、デイビッドよりも若かった。

「ルーニー、デイビッドからシリーズのことを聞いて、早く君に会いたかった。」

「私の作品を気に入ってもらえて嬉しいです。」

「早速だが、シュン、大まかなスケジュールを見てもらいたいのだよ。」ジュデェスは村田さんに向かって言った。

「私は彼女のマネージャーではない。単なる仲介だ。見ても何もできない。」

「それは本当？じゃ、彼女のマネージメントは誰がやるんだい？」彼は驚いていた。

「ここにはいないのだよ、ジュデェス。」デイビッドが肩をすくめて言った。

「そんなバカな！どうするんだい？この先どう進めていったらいい？何も決められないじゃないか。」