もっと甘く   ささやいて
その後も私は毎日デイビッドのオフィスでジュデェスを相手にディスカッションを続けた。

脚本家のフィル・モートンや他のスタッフも交えて何時間もストーリーを煮詰めていった。

「ルーニー、君はどう思う?」

「私はフィルのアイデアに賛成よ。」

「君にも何かアイデアがあるんじゃないのか?」

「フィルので充分よ。」

「僕はフィルのではなく、君のアイデアを聞きたい。」ジュデェスの強い口調に私も皆も驚いた。

「フィルのはダメなの?彼のアイデアは映像化しやすいと思うわ。」

「だから何?」その返事に増々驚いた。

「私のだとフィーリングを映し切れないと思うの。」

「それは監督と演出のテクにも左右されるよ。演じる僕を信用してないのかい?」

「そうじゃないわ。ただ難しいのではと思ってフィルに賛成したのよ。」

「わかってないな。どんなに難しくてもやってみせる。君のアイデアを聞きたい。」

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