もっと甘く   ささやいて
投稿した長編を買いたいという人がいるらしい。

メールが入った。

例の雑誌を出している出版社からだった。

その出版社へ出向いたら、私の知らないところで私が驚くような展開になっていた。

海外の有名なエージェントからの作品の著作権云々どうたらこうたら、という話しを長々と聞かされた。

サッパリ飲み込めなかった。

要は私の長編を映画にしたいらしい。

なるべく原作に忠実に、と脚本がすでにスタートし、キャストも動いていると言われ、私はそうですか、の連発でしかなかった。

一体誰が英訳したのか、と首を傾げた。

話しはさらに進み、いつなら渡米できるか、という質問になった。

「なぜ私が行かなくてはならないのですか?」

「君は行きたくないのかな?」今度は責任者の村田さんが首を傾げた。

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