もっと甘く   ささやいて
「食欲ない?」

「村田さんと渡米した日を思い出していました。楽しかったです。」

「今は?」

「もちろん楽しいです。私には村田さんがいてくれるだけでメンタルな部分で安定できるのです。たぶん編集者として私を支えてくれるから、だからそう思うのだと。」

自分の言ったことで、複雑な気持ちになった。

「どうした?」

「いいえ、何でもありません。時差ボケかもしれません。」

「思ったより疲れているならしばらく休んで自分のスケジュールを組むといい。」

「はい。」

「デザートは?」

「ジェラートだけにしてください。」

「いいよ。」

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