もっと甘く   ささやいて
「佐野弘子です。よろしく。」

「川村留仁です。」

「村田から聞きました。留仁さんとは末永くお付き合い頂けたらと思います。」

四十代のいかにもバリキャリの、しかもどこぞのブランド・スーツがビシリと決まって迫力があった。

ずば抜けて美人の、おまけにナイスバディな私のエージェントは早速本題に入った。

村田さんとどういうお知り合いなのかしら?と私は気になった。

「留仁、ジムは年間二十本のオファーを言ってきているの。あなたの条件を言ってちょうだい。」

「二十本ですか?無理です。十本なら受けます。」

「わかったわ。」

「他にも何か条件をつけていいのよ。何でも言ってみて。」

「佐野さん?」

「弘子でいいわ。」

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